職場の整理整頓、環境改善には多くの企業さまが悩まれているようです。

そのお悩みの多くには、一時的な実践はできても、それを維持継続することができない、というものがあります。

そこで、私が今までに見てきた中で感じた、失敗に終わる可能性が高い職場の整理整頓、環境改善を踏まえ、維持継続のコツをご紹介します。

総務や各部門リーダーが決める

社内の全体が見える総務や各部門を取り仕切るリーダーが先導すること自体が悪い訳ではありません。

全体を見ることができることは、環境改善を進めていく上で大きなメリットです。

しかし、そのようなポジションにいるがゆえに、単独で決めてしまいやすいという特徴があります。

 

実行するのがかえって厄介

会社組織にいると、「突然上から降ってくる指令」ということはよくある光景です。環境改善に関しても、突然、具体的な指示で降ってくる場合があります。

  • 退社時、机の上には何も置かないこと
  • 整理整頓チェックリストを使って定期的に確認すること
  • 給湯スペースには私物は置かないこと

社員が分かりやすいように具体的な指示を出すことは非常に良いことです。

おそらく、その指示は分かりやすいので、社員たちは、「面倒だけど上からの命令だから」と真面目に従ってくれるでしょう。

さらには、メンツが大きく変わらなければ、その企業の体質になった「風」に見えます。しかし、それがかえって厄介な場合もあるのです。

 

社員の入れ替えがあった場合

上から降ってきたルールを「ただ、守る」だけでは、ルールが崩壊したりフェードアウトしてしまう可能性が高い。なぜならば、「なぜ、そうしなければいけないのか?」をしっかりと理解していない人が多いからです。

会社には大勢の人がいます。当然、いろんな考え方や価値観を持っている訳ですので、決められたルールに対して別の意見を持つ人もいます。

したがって、ルールに対しての議論が行われていない場合、「上からの命令」としか捉えられないことがあるのです。

人事異動や入社・退職などで、メンバーが入れ替わっていくうちに、ルールが形骸化してしまうのです。
さらには、

  • 「以前のルールは、前の担当者が決めたことであって、これからは◯◯のようにしてくれ」などと担当が変わるたびに方針が変わる
  • (形骸化してはいるものの)ルールがあるにも関わらず、新たに似たようなルールを作ったり、もしくは正反対のルールを作ったりしてメンバーの混乱を招く

のようなこともあります。

こうなってくると、社員たちには、「またか」のような気持ちが生まれ、モチベーションを下げてしまうかもしれません。

 

環境改善は終わりのない行為

一時的に整理整頓されて場が整うことが環境改善なのではありません。維持継続されてこそ意味のあるもの。つまり、終わりのない行為なのです。

リーダーが変わっても、社員が入れ替わっても、新入社員が入ってきても、実践し、継続することにこそ意味があるのです。

そのためには、「なぜ」を伝えることが重要になります。「上からの指示だから」ではなく、「なぜ(目的)」が分かるから、意味をもって実践継続もできますし、目的にそぐわない場合は改善する工夫をすることもできます。

そして、このルール決めは、リーダーの先導は重要ですが、みんなで議論して決めることが良いのです。

意見を出し合うことで、自分には思い付かない考えや発想に遭遇します。それはお互いを認め合うことにもつながりますし、このような多様な考えに触れることは、他の業務や自分の人生にも大きなプラスとなります。

また、考える、議論することで、社員に主体性が備わります。

終わりのない行為だからこそ、みんなでやる。そしてそれが、企業の生産性の向上や利益へとつながっていくのです。

 

環境改善は単に職場をキレイにするための行為ではない

ここでは、環境改善という言葉を用いていますが、2S(整理整頓)、3S、5Sなど、いろいろな言葉を用いて、企業では取り組まれていますが、環境改善は、単に職場をキレイにするための行為ではないのです。

企業が生き残り、差別化を図るためにも必須の行為なのです。

厳密には、生き残るだけではなく、勝ち残る必要があるでしょう。
今後、人口の減少に伴い、労働人口も減少します。自社に合う人材を採用することが今まで以上に困難になってきます。また、働き方改革やAIの登場により、企業は変わる必要が出てきます。

「現状維持は退化なり」とも言われるように、時代の流れが速い現代においては、とりあえず今を何とかやり過ごすだけでは、未来は決して明るいとは言えないでしょう。

そこに、自分の頭で考える力を持つ社員がいればどうでしょうか?

「企業は人なり」と言いますが、社員の成長によって企業は成長できるものだと私は強く感じています。

環境改善が定着している企業の多くは、じっくり取り組んでいるという印象を受けます。

みんなで考えて、悩んで、決めて、実行する。
実行して、「やっぱり違う」と不便を感じては、さらに考えて、悩んで、決めて、改善する。

これの繰り返しが環境改善なのです。

新しく社員が入ってきたら、「なぜ」を伝えていく。

継続する限り、それは失敗ではない。

その過程で、人は成長し、この実践は普段の仕事にも活かされます。

これが、自分のため、お客さまや関わる全ての人たちのため、そして最終的には企業のためになるのです。

 

 

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