先日、スズキ機工株式会社 代表取締役 鈴木豊氏の講演を拝聴しました。

テーマは、「成長企業に学ぶ経営戦略 ~ 働き方改革&人材育成 ~」というもの。「働き方改革&人材育成」というキーワードが私のアンテナに引っかかったのです。

 

働き方改革を推進させるために、制度の充実に取り組む企業が多いように感じます。それも非常に重要なことですが、制度を作るのも利用するのも「人」。人材育成なくしては、いくら制度を充実させても、その企業では働き方改革を実現することはできないと私は考えています。

このテーマなら、当社の提供するサービスにも活かせるポイントがたくさんあるのではないかと思い、意気込んで参加した、というわけです。

 

そんな予感は的中し、首を縦に振り過ぎて痛くなるほど講演内容に共感しました。鈴木社長にご快諾頂きましたので、講演の概要や拝聴して考えたことをコラムに書きたいと思います。

 

話を聞く際には「置換力」が必須

冒頭、鈴木社長より「置換力」というお話を頂きました。

 

普段より多くの講演やセミナーへと足を運ばれている鈴木社長は、「自分だったら」「我が社だったら」と全て自分事に置き換えて話を聞いていらっしゃるそうです。

自分には一見何の関係もないように感じる話や出来事からも、学ぶ姿勢さえ持っていれば、必ず得られることがあるのです。

逆に、自分事に置き換えられなければ、聞いた話を学びとして自分の人生や仕事などにうまく生かすことはできないということ。

 

人前で話をすることがある立場として、私は可能な限り、聞き手が自分事だと感じられるような話をするよう心がけています。自分事だと思えれば学びが得やすいからです。

一方、話を聞く立場になった時は、謙虚に学ぶ姿勢をなくさないように、と肝に銘じています。年齢を重ねて経験値が増すことで傲慢になってしまうと、「老害」になりかねないからです。

話し手にも聞き手にもなる立場として、「自分事」というキーワードはこれまでも常に念頭に置いていましたが、鈴木社長のお話を伺って、改めて重要性を実感しました。

 

「置換力」を意識して共通点を見つける

先の「置換力」を意識する中で、私はお話を伺う際に「共通点はないか」と考えることがあります。共通点が見つかることで親近感がわき、話の浸透度が高まるのです。

 

今回、複数の共通点を見つけたのですが、そのうちの1つが「町工場」でした。

お父さまの後を継がれたという点にもご縁を感じます。私の夫も父親(私の義父)の町工場で働いておりましたし、ゆくゆくは夫が二代目になるものだと思っていましたから。しかも、所在地が義父の自宅と目と鼻の先。

正直、スズキ機工のことは存じ上げておりませんでした。本講演に参加させて頂くことになって、ホームページを見ていて気づいたことだったのですが、それだけで勝手に親近感が湧いてきます。

 

整理整頓で職場環境を改善

鈴木社長は、大学をご卒業後、商社へ勤務されていたそうです。その後、退職してスズキ機工へ入社。入社後最初に行ったのが「整理整頓」だったそうです。

実は、義父の経営する町工場を手伝うようになった時、私が来る日も来る日もやっていたのは「整理整頓」でした。ここで2つ目の共通点が見つかりました。

 

当時新人だった鈴木社長、「こんな環境では良い仕事などできない」と感じたそうです。私が初めて町工場に足を踏み入れた時に感じたのも、「こんな環境じゃ仕事なんてできない!!」でした。

スズキ機工では現在、「探しの排除」を明文化しており、始業前の30分間、全社員で作業環境の掃除や整備などの整理整頓を行っているそうです。

 

私は整理整頓のプロとして、この30分間の重要性がとてもよく理解できます。職場環境が改善されると、時間的・経済的・精神的・対外的・安全的・衛生的に多くの効果があるのです。

 

また、スズキ機工では、「たとえそれが新品でも使っていないモノでも、不要なモノは捨てること」を徹底したそうです。

これを社長自ら陣頭指揮を執って行う企業は多くはありません。この点を考えても、非常に素晴らしい企業であると感じます。

 

徹底的な理念の共有

スズキ機工では、企業理念を全社員と共有することを徹底しているそうです。経営計画書には非常に興味深いことが多く盛り込まれているようです。

 

私はいくつかの会社勤めを経験しています。

経営理念が掲示されている会社、クレドを配付している会社、毎日朝礼で日々の心得を唱和する会社。さまざまな会社がありましたが、正直、あまり記憶にありません。言わされ感、やらされ感しか感じていなかったから。

会社勤めをするということは、そこに存在するだけでお金がもらえるとも言うことができます。特別な思い入れを持つほどではなかったのです。管理職をやっていたにもかかわらず。

 

しかし、独立した今だからこそ言えることは、言い続ける、やり続けることが重要だということ。経営者は孤独な立場ですが、それでも言い続け、やり続ける。いくら続けても足りないくらいです。

企業理念を徹底的に共有・浸透させようと努力しているスズキ機工の取り組みには、本当に頭が下がります。

 

変化に対応できる組織とは

今、市場や社会情勢、環境は目まぐるしく変化しています。

元々、一斗缶の工場だったスズキ機工ですが、その後は時代の流れを読んで的確な経営戦略を立てています。ICTやSNSも駆使しています。まさに、変化に対応できる組織だと感じます。

 

では、なぜこれだけ素早く柔軟に対応できるのか。

さまざまな努力があるのでしょうが、その一つにはスズキ機工が大切にする「環境整備」が大きく功を奏しているのではないかと私は考えます。

環境が整うということは、時代の流れに素早く柔軟に対応できることにつながります。時間的にも経済的にも精神的にも、徹底的に無駄を排除できているからこそ、次の一手を打つことができるからです。

 

もし、職場環境が整っていなかったら?

時間的にも経済的にも大きなロスが生まれ、積極的な経営戦略を立てることができなくなってしまいます。また、精神的には変化を恐れてしまう可能性が高くなるのです。

 

職場の環境改善は社員の仕事

スズキ機工では、社長が社員とともに、熱意を持って環境改善に取り組んでいらっしゃいます。社員が環境改善にかかわるのは、非常に好ましい形だと私は考えます。

実は、会社が社員に対して、働きやすい職場環境を上げ膳据え膳で提供するのは好ましいことではありません。なぜなら、働きやすい職場環境を社員が考えて構築することに大きな意味があるからです。

職場環境を自ら構築していく過程で、社員が成長していくのです。

 

会社は仲良しグループではありません。いろんな考え方や価値観、背景を持つ人たちの集まりです。

環境改善を通して、自分とは異なる考え方や価値観に触れることで、自身の視野も広まります。環境改善を実践する中で、共通の考え方や価値観を持つことができるのです。

さらに、チームワークや問題解決能力なども醸成されます。これが、全社員で取り組むことの最大のメリットであると言えるでしょう。

 

「会社が最も大切に思うのは社員」

スズキ機工が最も大切にしているのは、社員(とその家族)とのこと。この価値観にも非常に共感を覚えます。

 

お客さまや取引先さまは非常に大切な存在です。しかし、それ以前に会社は社員を最も大切にする必要があります。

会社に大切にされていないと感じる社員が、果たしてお客さまや取引先さまを大切に思うことができるでしょうか。

会社に大切にされていると感じ、大切にされている喜びを知っているからこそ、お客さまや取引先さまを大切に思うことができるのです。

 

自らの思いを再確認した有益な講演

講演後、非常に熱い想いを胸に帰社。夜に帰宅した後は、夫にマシンガントークを繰り広げてしまいました。共感に次ぐ共感。とても有益な講演でした。

スズキ機工のような会社がもっとたくさん増えると、未来がもっと明るくなるだろうな、と思いを馳せつつ、「環境改善」という視点から多くの企業さまをサポートできれば、と改めて思っています。

 

具体的には、一例として以下のようなサポートを行っています。

職場の環境改善コンサルティング