あなたの職場では、使ったものを所定の場所に戻す習慣、できていますか?

 

今日は、とある企業の技術スタッフが集まる現場での出来事を、事例として紹介したいと思います。

作業をする際にスプレーを使うのだそうですが、そのスプレーを決まった場所に戻さないスタッフがいるのだとか。

そのスタッフがスプレーを使った後に、別のスタッフが使おうとすると、あるべき場所にない!これでは探す手間がかかってしまって、困ってしまいます。

 

職場の片づけを怠ると、お客さまにも影響が及んで、企業全体の信頼が低下してしまうおそれもあるのです…。

 

どういうことなのかこの記事で紹介しますので、参考にしてみてください。

 

片づいていない職場では何が起きるのか?

スプレーを使いっ放しにして決まった場所に戻さないスタッフがいる、というこの現場。

私が最初に見た限りでは、そのスタッフに限ったことではなく、技術スタッフ全般の整理整頓レベルがあまり高くないように感じました。

作業場に関してはそれなりにモノの配置は考えられているようなのですが、技術スタッフたちが事務処理をするスペースに置かれている書類は、グチャグチャバラバラ。

モノの配置も良いとは言えず、効率が悪いであろうことは見てすぐに分かりました。

 

そして、モノが所定の位置にない結果として何が起きるかというと、

  • 探し回る無駄な時間が発生する
  • お客さまをお待たせする

…ということが当たり前の光景になっていたのです。

 

いくら動線や使用頻度などを考慮して効率の良い場所に配置しても、元の場所に戻さなければ意味がありません。

また、複数のスタッフがいると、「元の場所に戻す=片づけ」に関する意識レベルもさまざまです。

自分ひとりだけが毎回キチンと片づけたとしても、他のスタッフがそうでなければ、永遠に「探す」行為からは逃れることができなくなってしまう。難しいところです。

 

 

お客さまと接している時間だけが接客?

とはいえ、上記の例からもわかるように、職場が片づいていないと、自分たちだけでなくお客さまにも迷惑がかかるわけです。まずはこのことを肝に銘じていただきたいと思います。

社内がグチャグチャであるためにお客さまをお待たせするようなことになると、「この会社、大丈夫なのか…?」と信頼を損ねることにもなりかねません。

 

社内の片づけとお客さまに対する接客。もしかしたら、あまり関係ないように思う方もいらっしゃるかもしれません。でも、ちょっと考えてみてください。

 

目の前のお客さまと接している時間だけが接客なのでしょうか?

 

以下の図をご覧ください。

お客さまAへの対応後にきちんと片づけを行えば、お客さまBの接客時に探し物などが発生することはありません。

ですから、お客さまAに対応した後に道具を片付けるのは、単なる後片付けではありません。次のお客さまBに対応するための準備でもあるわけです。

 

そう。実は、目の前のお客さまへの接客は、その前のお客さまへの対応終了時から始まっているのです。

 

お客さまとは、目の前のお客さまだけではありません。真にお客さまのことを思うのであれば、まだ見ぬお客さまに対しても前準備をしておく必要があるのです。

 

職場を片づけるためにスタッフ自ら解決策を考える

ここで、あるスタッフがアイデアを出してくれました。

 

「スプレーの数を増やせば良いのでは?」

 

思ったことをキチンと言葉にして意見してくれる人がいるのが、この職場の素晴らしさ。忌憚なく意見を言える環境を作っているリーダーのお人柄なのでしょう。

確かにこの方法も解決策の一つであり、間違いではありません。しかし、この職場での解決策としては適していないんです。

 

では、なぜこの方法が得策ではないのか?

 

これは、あくまで自分たちで考えていただきます。私が意見することは、簡単なことですが、ああでもない、こうでもないとスタッフで議論することこそが、問題解決力やチームワークを養うことにつながるからです。

時間の無駄だと思うかもしれませんが、急がば回れ。こうして自分たちで議論することによって、単なる仲良しチームではない盤石な体制が築かれて、企業の成長につながるのです。

 

自分たちで考えた結論に従って片づけを実行!

残念ながらこの職場では、そもそも「元の場所に戻す=片づける」が習慣化されていません。ですから、スプレー缶を増やすことでは根本的な解決には至れません。

確かに、数が多ければすぐにスプレー缶を見つけられるようになるかもしれません。でも、ゴロゴロとあちこちにスプレー缶が転がっている現場が容易にイメージできます。これでは職場環境として危険ですよね。

そして、そのような管理では、いざ見つけたスプレー缶が残量不足だったり空っぽだったりするかもしれません。コスト的にも無駄が発生するでしょう。

 

さて、ではどうしたらよいのか。皆で考えるといろんな意見を聞くことができます。

 

スタッフが導き出した結論は、以下の通りでした。

  • 「”使ったら元に戻す”を徹底しよう。」
  • 「目の前のお客さまを優先するのは仕方がない。でも、だからといって元に戻さなくて良いわけではない。終わってから必ず”元に戻す”をやることにしよう。」
  • 「前に使った人が片づけてなかったら、代わりに片づけるのではなく、面倒でもその人に言って、元に戻してもらおう。それが最初は無駄な時間になるかもしれないけど、結果的には近道だと思う。」

いかがでしょうか。よく考えられた見事な結論ですよね。

 

たった一つの言動が周囲に与える影響を考える

目の前にお客さまがいるときは、どうしてもその目の前のお客さまに気持ちが行きますし、優先させたいと思うことも至極当たり前のことです。

ただ、仕事には流れやつながりがあります。時間の流れ、スタッフとの連携、お客さまや取引先とのつながり。これらは単純ではなく、複雑に絡み合っています。

意識的であれ無意識であれ、「自分がとっているたった一つの言動が、周囲にどのような影響を与えているのか?」ということを、一度じっくり考えてみると良いでしょう。

仕事の流れや影響の広がり方を正しく理解しておくことで、目の前のお客さまへの満足度をさらに高めることができますし、スタッフやその他の関わる方々からの信頼度を上げることも可能なのです。

 

こちらの企業、少しずつ変化が出てきていますので、今後が楽しみです。

 

 

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