昨日は、厚生労働省の事業「女性就業支援全国展開事業」を受託する一般財団法人女性労働協会の方が講師を務める、「ワークライフバランスが取れる職場環境づくり」というセミナーへ参加してきました。

独立して6年目。会社勤めの頃は法制度にも敏感でしたが、会社を離れた今は、敏感でいても知識不足になってしまうと、クライアントさまへのサービスに支障をきたしてしまいます。

会社勤めの頃ほど詳細を把握する必要はなくなりましたが、やはり国や時代の流れを俯瞰して掴む必要があると思っています。以下、セミナーに参加して感じたことや考えたことをまとめました。

 

ワークライフバランスとはママのためだけのものではない

 

すでにご存じの方も多い「ワークライフバランス」という言葉。

 

内閣府の「ワークライフバランス憲章」では、

ワークライフバランスとは仕事と生活の調和である

と定義づけられています。

 

国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすこと。同時に、家庭や地域生活においても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて、多様な生き方が選択・実現できること。

その背景や必要性についてはここには書きませんが、「仕事において働き方の見直しや効率が上がること」と「日々の暮らしが充実すること」には相関関係があることは、何となくイメージできるのではないでしょうか。

 

世間ではどうも女性側のものとして語られがちですが、ワークライフバランスは決して女性やママたちだけのものではありません。性別も世代も関係なく、あらゆる人のためであるのです。

 

ワークライフバランス推進を阻むのは仕事の属人化

ほとんどの会社では、規程や規則、仕組みを作る時、総務が立案し陣頭指揮を執ります。今回のセミナーの参加者も、ほとんどが総務関連の部署の方々でした。

参加された方々の話を聞いてみると、「世の中の流れが変化し、ワークライフバランスの充実が必要であることは理解しているものの、なかなか思うようには進まない」というのが本音でした。

 

ワークライフバランスが改善されない原因の一つは、仕事の属人化。「この仕事はこの人にしかできない」という状況のことです。

 

そうなってしまう理由があるのも、理解はできます。

「マイナンバーや個人情報などの取扱い上、他の人に仕事は頼めないんだ。」

確かに、その通りです。

「他の部署の仕事は手伝えても、私たちの仕事(総務や経理など)は専門性もあるので簡単には手伝えないんだ。」

…これは本当にそうでしょうか?

 

確かに、専門知識がないとできない仕事もあります。しかし、それを言い始めるときりがないと思いませんか?

たとえば直接お客さまと接している部署。お客さま1人1人にも特徴があります。そうなると、「個々に対応しているから、そう簡単に他の人には変われない」とも言えてしまいます。

 

自分の仕事は特別であるという考えを、皆がいったん横に置いて考えない限り、ワークライフバランスが推進されることはありません。

 

各自が仕事を属人化して抱え込んでしまっては、例えばスタッフの1人が産休を取ろうとしただけで大騒ぎになってしまいますよね。

 

ワークライフバランスは時間制約の上に成り立つ

ワークライフバランスという言葉が働くママたちと関連付けて語られがちなのは、働くママたちがとても忙しいからでしょう。

しかし、もう一つ忘れてはならないのが介護する人たちです。現代は高齢社会。少子高齢化が進んでいますし、兄弟が少ない家庭も多い。未婚率も上昇しています。そのため、介護に携わる人は確実に増えているのです。

また、介護は育児のようにおめでたいことではないと考える人が多いため、職場でなかなか開示できる人は少なく、一人で抱え込んで退職してしまう人もいます。

 

いずれにしても、仕事に投入できる時間に制約のある社員が増えているのは事実です。今までのように、恒常的な長時間労働を前提とする職場では、ワークライフバランスは浸透しないでしょう。

まずは、多様な価値観、生き方、ライフスタイルを受容できる職場環境づくりが求められます。そのような雰囲気があるからこそ、時間制約のある働き方が実現されるのではないでしょうか。

 

とはいえ、まだまだ「長く働いている人は仕事がデキる人」という価値観や暗黙の了解がありますし、さらには「女性」というだけで「辞める」「休む」「早く帰る」をイメージして「男性」を採用するということも、なくなっていないようです。

 

・・・ここまで読んでくださった方の中には、お気づきの方もいらっしゃるかもしれません。

ワークライフバランスのキーワードは、年齢や性別というよりもむしろ、

「時間」

なのですよね。

 

時間は作ることができる

働き方改革にも掲げられた「長時間労働の是正」。これも相まり、私たちはできるだけ効率的に仕事を行う必要があります。しかしながら現状は前述の通りです。

 

なかなか理想には程遠い。そこで、ちょっと視点を変えてみます。

過去のコラムにも書きましたが、私たちは職場で1日あたり約15分もの時間を探し物に費やしています。

 

この時間が大きなムダなのです。

 

業務の見える化や業務自体の整理などでも時間を作ることは可能ですが、すぐに取り掛かれるのが、モノを探す行為をなくすこと

これを止めるだけで、人が足りないのであれば新たに人を採用することもできます。道具が足りないのであれば道具を購入することもできます。

 

会社を変えるとっておきの手段とは?

ワークライフバランスの推進や長時間労働の削減など、会社を良くしようと思って制度を導入したりすることは、決して悪いことではありません。

しかし、それが形骸化してしまってなかなか浸透しないのがお悩みであれば、会社を変える最短最良の手段があります。

 

職場環境を改善すること。

 

まずは職場の整理整頓を進めてみてください。モノをあちこち探し回る時間がなくなって、仕事に集中して取り組めます。

もしかすると、最初のうちは余計に時間を食っているように感じるかもしれません。しかし、長い目で見れば必ず時間を作ることができます。効率化が進んで、会社に大きな効果をもたらしてくれるのです。

効率的に業務を進められるようになると、ひいてはワークライフバランスや働き方改革の実現にもつながるのです。

(参考:勘違いしていませんか?働き方改革のために経営者がやるべきこと

 

※職場環境の改善にお困りの方へ。環境改善のプロの意見も取り入れてみてください。

職場の環境改善コンサルティング